「経理実務の学校」に寄せられる実務家の悩みをＤr.Ｋが解説！

（Ｑ）経理担当者の｢法律用語」について基本を教えてください。

（Ａ）昨年、裁判員制度が始まり一般人も法律が身近になりました。
日頃何気なく使っている用語でも法的には厳密に区別されてい
ます。経理担当者に限らず、ビジネスパーソンにとって心得て
おくべき｢法律用語」の基本について幾つか述べてみましょう。
（１）「又は・若しくは・あるいは」
どれも選択的接続詞で、「及び・並びに」が「ＡとＢ」のよう
に並列的・併合的に接続されるのに対し、「ＡかＢか」のよう
に選択的に接続する場合に使います。
（２）「以上・以下・超える（超過）・満たない（未満）」
どれも一定数量を基準として、基準よりも多いか少ないかを表
す場合に使います。「以上・以下」の場合は、どれも示された
基準自体を含みます。例えば、「５０人以上」「５０人以下」
は、どちらも５０人を含みます。「超える（超過）・満たない
（未満）」は、基準自体を含まない場合に使います。
（３）「から・より（も）」
時及び場所の起点を示す場合には「から」を使います。「より」
は、時及び場所の起点を示す場合には使わず、比較を示す場合
にだけ（「も」を送り「よりも」とする方がベター）使います。
（４）「期間・期限・期日」
「期間」とは、一定の時間的隔たりの長さ、すなわち始期から
終期での間を言います。「期限」とは、一定の時期を限った場
合の日時をいい、始期と終期があり、始期以後又は終期以前に
おける不定の時間的な広がりを持っています。「期日」は「期
限」が不特定の時間的長さを含むのに対し、その時期が一日の
間に特定される点が違っています。
（５）「直ちに・速やかに・遅滞なく」
特定の行為又は事実とその後に続く行為との時間的近接を示す
用語ですが使われ方が違います。「直ちに」は、一切の遅延を
許さない時間的即時性の強い場合に、「速やかに」は、「直ち
に」よりも時間的急迫性のゆるい場合及び訓示的意味を持つ場
合に、「遅滞なく」は正当又は合理的な理由による遅滞は、許
容される場合に使われます。

杓子定規の堅い話の後のお口直しに2/4朝日新聞の天声人語にあ
った話を！
テストに「氷が溶けたら何になる？」という問いに「春になる」
という回答があったそうです。筆者なら「はなまる」をあげた
い回答ですね。