Ｑ.小口現金出納簿の記載履歴が、仮払金だらけになってしまう
ため費用として立て、後で、戻入処理で済ますことは、会計・税法
上許容されますか？（弊社、小口が全部仮払い精算なので大変なん
です）最初に仮払いしたとき、仮払いではなく、既に確定した費用
支出として処理します。
仮払時 旅費交通費 50,000 ／ 現金 50,000
精算時 現金 1,680 ／ 旅費交通費 1,680 （費用戻入）
このような仕訳を切れば、自動的に旅費交通費が48,320円と結果的
になります。 また、小口現金出納簿上も、現金の支出と入金の行
をそのまま上記仕訳を切れば絶対残高が合い、事務処理がかなり効
率化されます。仮払金を立てると何の目的で仮払いしたのか？見え
なくなるだけでなく精算時の 現金 1,680 ／ 仮払金 1,680円
の仕訳しか出納簿上のってこないので、非常に出納簿がわかりづら
くなります。ただし、月をまたいで、精算されてしまう場合は、あ
えて費用戻入をとらず、仕方なく仮払金にするという方法です。
これなら出納簿も、見やすいし、仕訳も出納簿を見るだけで立てら
れます。ただ、費用戻入が出てきてしまうので税務調査や会計監査
の時にその説明が必要になるかと思います。できれば、この方法を
取りたいのですが、会計上・税法上大丈夫でしょうか？実務的な観
点からご教示いただければ幸いです。

Ａ.「仮払金」勘定が、本来の意味で使用されていないようです。
「仮払金」は使途が未定、金額が未定の経過勘定です。出張に際し
て「旅費交通費」「接待交際費」など未定ですから、概算額を「仮
払金」で処理するのです。「小口現金」は通常、代金引換の配送物
を受け取るとか、費目が確定したものに、使用します。科目が確定
し、金額も確定している取引を、わざわざ「仮払金」を使うのは好
ましい処理とはいえません。御社は小口が全部仮払い精算だそうで
すが、非効率な処理です。
（まとめ）両方のご質問も、企業会計上も、税務上も支障はないと思
われます。ポイントは、前述した、正確な事務処理をするのか、
効率的な事務処理をするのか、に集約されます。「仮払金]「仮受金」
などの経過勘定を多用することは、正確な事務処理上、極力避ける
べきです。「小口現金」を都度取り扱うのは、事務の流れを中断して
いると思料します。経理事務の合理化は、現金の取扱いを削減するこ
とです。口座振替や、給与振込時支払、支払日集約等の改善策を検討
しては如何でしょいうか。なお、経費支払方法や勘定科目変更は新年
度から実施したほうがベターです。