「経理実務の学校」に寄せられる実務家の悩みをＤr.Ｋが解説！

（Ｑ) 前回の「心の薬」四規は服用しようと思いますが、「利休四規
七則」の七則が気になるんですが？


（Ａ) 「利休七則 」も「心の薬」になると思いますよ。千利休が
「一期一会」の場を作るために、７つの心遣いとして奨めたのが、
次の「利休七則」です。ビジネスシーンに限らず、あらゆるコミュ
ニケーションで役に立つはずです。

・茶は服のよきように点て、
（相手が飲みやすいように、適度な湯加減と茶の分量で）
こちら側が思う「よいお茶」と相手が望む「よいお茶」は違いま
す。相手が今、欲しているお茶です。ビジネスではお客のニーズ
がお茶です。又は上司のニーズです。

・炭は湯に沸くように置き、
（準備・段取りは、要となるツボを押さえて）
どんなにお茶の道具などを揃えてお茶をお出ししようとしても、
バタバタとお湯を沸かしているようでは、よいお茶の場を提供で
きません。

・冬は暖に夏は涼しく、
（ものの表現は、本質を知り、より簡潔に）
枝葉末節にこだわらず、本質の部分が何なのかをしっかりと整理
する。

・花は野の花のように生け、
（自然が一番、もてなしは、相手を想う心で）
自然に添った態度とることです。どんな雰囲気が自然でしょうか？
雰囲気、演出をしていくことも大事になってきます。

・刻限は早めに、
（時間は大切に、ゆとりは、自らの心掛けによって）
心に焦りがあると、自分の言いたいことも言えません。常に心に
余裕を持って焦らないことが大切です。焦りは、パニックをもた
らし、自分自身を見失います。

・降らずとも雨の用意、
（備えは、万人の憂いを想定して）
どんなに上手く応対したとしても、客は何かの不安・疑問を感じて
いるはずです。事前に客の不安・疑問を考えて、解消策、解決策を
準備をしておきます。

・相客に心せよ
（自分勝手、得手勝手ではなく）
特定の客だけに気配り、他への気配りを忘れてはいけません。
一期一会の場を作る「一期一会」とは、「見馴れた物にも新鮮な気
持ちで、親しい関係にも等閑な態度をとらずに、その縁を大事にす
る」ということだそうです。個への気配りだけでなく、全体を見回
した気配りの重要性を伝えています。