Dr.Kの経理お悩み散薬
不正のトライアングルとは
「経理実務の学校」に寄せられる実務家の悩みをDr.Kが解説!
(Q)会計不正の手口は概ね分かりました。会計を含む広い範囲で
不正を防止するのに、内部統制にからめ「不正のトライアングル」
という用語が出てきますが「不正のトライアングル」って何です
か?
(A)米国の組織犯罪研究者クレッシー(Donald R.Cressey)が1940
年代に「業務上横領」の発生要因から分析された不正の仕組みに関
する論文の「Other People’s Money : A Study in the Social
Psychology of Embezzlement」の中での仮説が「不正のトライアン
グル」です。
横領関連の罪で服役中の受刑者を対象に実証分析を行い、次の3つ
の条件が揃うと横領が発生することを発表しました。
1.横領を行った本人が他人と共有できない金銭的な問題を抱えて
2.本人が信頼されている立場を利用すれば秘密裏に問題を解決でき
ると認識して
3.モラル意識を無視して、横領をしても問題ないと自らの行動を正
当化して
これを一般化したのが。いわゆる「不正のトライアングル」です。
1.不正を行うための 「動機・プレッシャー」があること
2.不正を行うことができる 「機会」が存在すること
3.不正を行うことが本人にとって「正当化」できること
米国公認会計士協会 (AICPA)の監査基準書(Statements on Auditing
Standards“SAS”)第99号「財務諸表監査に於ける不正の検証
(Consideration of Fraud in a Financial Statements Audit)」で
も不正行為が発生する3要因として取り上げられています。
1.動機とプレッシャー
不正を犯すことで自己利益が得られ、社会的に妥当かつ適法な方
法では解決できない課題が存在する。近時、市場原理主義の浸透
により業績向上へのプレッシャーが高まっており、今後ますます
増大する要因です。
2.機会
対策の不備により、不正行為が可能な状態にあることです。
例えば、現金の管理が甘い場合、横領を行なう機会を与えること
になります。また、ある管理者に権限が集中してしまっている場合
も、結果として不正が発生する可能性を高めることになります。
内部統制制度や内部告発制度が整備されつつあり、この要因は減少
すると思われます。
3.姿勢と正当化
倫理観・誠実性を喪失し、秘密裏に問題を解決するため、不正行為
に自らを納得させる理由付けをする。行為後に正当化するのではな
く、行為前から正当化(理由づけ)して不正行為を犯すので、この
要因は必要不可欠です。読者諸氏にとって、最も注意すべきはこの
要因です。現代の社会の価値観や期待を敏感に把握し、自己中心の
姿勢や正当化を排除することが肝要です。
(Q)会計不正の手口は概ね分かりました。会計を含む広い範囲で
不正を防止するのに、内部統制にからめ「不正のトライアングル」
という用語が出てきますが「不正のトライアングル」って何です
か?
(A)米国の組織犯罪研究者クレッシー(Donald R.Cressey)が1940
年代に「業務上横領」の発生要因から分析された不正の仕組みに関
する論文の「Other People’s Money : A Study in the Social
Psychology of Embezzlement」の中での仮説が「不正のトライアン
グル」です。
横領関連の罪で服役中の受刑者を対象に実証分析を行い、次の3つ
の条件が揃うと横領が発生することを発表しました。
1.横領を行った本人が他人と共有できない金銭的な問題を抱えて
2.本人が信頼されている立場を利用すれば秘密裏に問題を解決でき
ると認識して
3.モラル意識を無視して、横領をしても問題ないと自らの行動を正
当化して
これを一般化したのが。いわゆる「不正のトライアングル」です。
1.不正を行うための 「動機・プレッシャー」があること
2.不正を行うことができる 「機会」が存在すること
3.不正を行うことが本人にとって「正当化」できること
米国公認会計士協会 (AICPA)の監査基準書(Statements on Auditing
Standards“SAS”)第99号「財務諸表監査に於ける不正の検証
(Consideration of Fraud in a Financial Statements Audit)」で
も不正行為が発生する3要因として取り上げられています。
1.動機とプレッシャー
不正を犯すことで自己利益が得られ、社会的に妥当かつ適法な方
法では解決できない課題が存在する。近時、市場原理主義の浸透
により業績向上へのプレッシャーが高まっており、今後ますます
増大する要因です。
2.機会
対策の不備により、不正行為が可能な状態にあることです。
例えば、現金の管理が甘い場合、横領を行なう機会を与えること
になります。また、ある管理者に権限が集中してしまっている場合
も、結果として不正が発生する可能性を高めることになります。
内部統制制度や内部告発制度が整備されつつあり、この要因は減少
すると思われます。
3.姿勢と正当化
倫理観・誠実性を喪失し、秘密裏に問題を解決するため、不正行為
に自らを納得させる理由付けをする。行為後に正当化するのではな
く、行為前から正当化(理由づけ)して不正行為を犯すので、この
要因は必要不可欠です。読者諸氏にとって、最も注意すべきはこの
要因です。現代の社会の価値観や期待を敏感に把握し、自己中心の
姿勢や正当化を排除することが肝要です。
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※本コラムに掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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