インサイダー取引
「経理実務の学校」に寄せられる実務家の悩みをDr.Kが解説!
(Q) 経理会計に携わっていると、会社の重要な未公表情報が入っ
てきますが、その時の心構えを教えて下さい。
(A) 確かに一般の社員よりも経理パーソンには未公開(注1)の
重要事実(情報)(注2)に接する機会が多くありますね。
未公開の重要事実を利用して、関係会社の株式などを売買して利
益を得る行為を「インサイダー取引」として禁止されています。
サッカーのオフサイドと同じ考えです。「ズルする」ことです。
違反すると5百万円以下の罰金が科せられ、法人として取引した
場合は5億円以下の罰金です。
上場企業やその関連会社の内部規程にはこの「インサイダー取引」
禁止の条文が必ずあると思います。自社株を売買するときには事
前に「インサイダー取引」に該当しない旨承認を受けて取引する
などです。取引先から業務上取引先の未公開重要事実を知って、
利益を得る行為も対象となります。報道機関が未公表のニュース
原稿で「インサイダー取引」をするなどです。会社の規程では自
社株についてのみ規定している場合があります。読者も自社の規
程を確かめて他社の株式等も対象である旨、規程改定を提言して
みては如何でしょう?
注1:「公表」とは、①上場会社等の代表取締役が2つ以上の報
道機関に対して重要事実を公開したときから12時間が経過する
こと。②重要事実にかかる事項の記載がある有価証券報告書等が
公衆の縦覧に供された場合。③重要事実が証券取引所のホームペ
ージ上で公開された場合。のいずれかをいいます.
注2:「重要事実」とは、上場会社等またはその子会社の①重大
な意思決定、②一定の事実の発生、具体的な内容について ③業
績予想の変動等をいいます。
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