「経理実務の学校」に寄せられる実務家の悩みをＤr.Ｋが解説！

（Ｑ）経理会計業務で出納担当者の心得は何ですか？

（Ａ) 前回「資金繰り担当者」の業務についてのべましたが、今回
は「出納担当者」ですね。出納担当者の業務は現金出納管理です。
銀行振込入金・支払、小口現金管理、現金残高管理、預金残高管理
等ですが、振込や預金など入出金に証拠が残るものよりも「現金」
が問題です。
政治家やその筋の闇のお金は現金で取引されます。それは「現金そ
の場限り」といわれるように、現金の受け渡しには証拠が残らないか
らです。
また、領収証や受け渡し簿などがあっても、後で数えたら過不足が
あったというトラブルは頻繁に起きます。コンビニでも最近は顧客
から受け取った現金を直ぐレジに格納せず、お釣りを受け渡して顧
客が確認して初めてレジを閉めます。５千円札を出して後で１万円
札だったなどという輩を排除するためです。
さて、企業が外部と取引する際には相応の注意を払いますが、社員
同士の受け渡しにはお互いの信頼関係が災いして現金過不足が起こ
りがちです。例えば、急に出張する営業部長に仮払旅費を渡す際、
部長は経理が数えたからと経理を信頼してしまうと、経理のミスは
なかなか発見できません。部長が出張から帰社してからでも部長が
当時財布にいくらあったか分からないと真相はわからず、お互いに
気まずい思いをします。信頼していても現金の確認は励行しましょ
う。出納担当者としては「現金」を扱わず、振込などにすることが
良策です。
経理の合理化の一つに、「現金」の取扱いを無くすことがあります。
昔は給与振込がなく、給料袋に現金が入っていました。今は給振が
当たり前です。まだ現金で処理している業務が削減できないかを考
えてみてください。