商業登記簿には、会社の名前、事業の目的・内容、会社の住所、役員、
株主、事業年度などの情報が記載されており、記載内容に変更があった
場合は、登記簿を変更をしなければなりません。今回は登記変更の手続き
について説明します。

（１）商号の変更

　商号は定款の記載事項であり、その変更は定款の変更を意味します。
定款を変更するためには、株主総会を開いて承認を得る必要があり、取締
役会設置会社の場合は、株主総会を開催するために、取締役会において商号
変更とそのための株主総会の開催について決議する必要があります。株主
総会で商号変更について承認が得られた場合は、「変更登記申請書」「株主
総会議事録」「ＯＣＲ用紙」「登録免許税３万円」を用意し、設立登記申請
をした本店を管轄する法務局で手続きを行います。

「変更登記申請書」・・一般的な項目として「商号」「本店（の住所）」
「登記の事由」「登記すべき事項」「登録免許税（の金額）」「添付書類
（の名称）」を記載します。商号を変更する場合は、「商号」として
「旧社名」を、「登記の事由」として「商号の変更」を、「登記すべき
事項」として「商号変更した日付と新社名」を記載し、「登録免許税」
には「金３万円」、「添付書類」には「株主総会議事録」と記載します。

「株主総会議事録」・・株主総会で決議した内容を記録したもの。一般的に
「発行済株式の総数」「議決権のある株主の総数」「総株主の議決権の数」
「出席株主数」「出席株主の議決権の数」を冒頭に記載し、それから決議
事項を記載します。議事録の末尾に「商号」として「（旧）社名」と「（新）
社名」を記載し、取締役が署名・押印します。

（２）事業目的の変更

　商号変更の場合と同様の手続きを行います。変更登記申請書の「登記の
事由」には「目的の変更」と記載し、「登記すべき事項」には「別紙のとおり
（添付書類のこと）」と記載します。また株主総会において事業目的の変更に
ついて承認を得た旨を記載した株主総会議事録を添付します。登録免許税は
商号変更と同額の３万円です。

（３）本店所在地の変更

　設立登記申請をした法務局の管轄外へ移転する場合には、設立登記申請
をした法務局と移転先の管轄となる新たな法務局との両方で変更手続きを
行う必要があります。「変更登記申請書」も２通作成する必要があり、登録
免許税もそれぞれ３万円かかります。また本店所在地の移転に関しては、
取締役会の決議事項でもありますから、株主総会議事録に加え、取締役会議
事録も添付する必要があります。設立登記申請をした法務局へ提出する変更
登記申請書の「本店（の住所）」には「旧本店住所」を、「登記の事由」には
「本店移転」、「登記すべき事項」には「移転した日付と新しい本店の住所」
を記載します。また移転先の管轄となる新たな法務局へ提出する変更登記
申請書の「本店（の住所）」には「新本店住所」を、「登記の事由」には
「本店移転」を記載します。株主総会議事録および取締役会議事録には、
本店所在地の移転について承認を得た旨を記載します。

（４）役員の変更

　代表取締役を新たに選任する（就任）あるいは任期満了後続けて選任する
（重任）場合には、変更登記申請書に「取締役会議事録」「代表取締役の就任
承諾書」「印鑑証明書」を添付します。代表取締役・取締役・監査役の任期
満了による退任の場合は「株主総会議事録」を添付し、任期の途中で辞任した
場合は「株主総会議事録」および「辞任届」を添付します。また解任した場合
は「株主総会議事録」および「取締役会議事録」を添付します。そして変更
登記申請書の「登記の事由」には「取締役、代表取締役および監査役の変更」
と記載し、「登記すべき事項」には「別紙のとおり（添付書類のこと）」と
記載します。株主総会議事録および取締役会議事録には、それぞれの決議
事項が承認された旨を記載します。

このように、変更内容に応じた申請書および添付書が必要になります。
さらに詳しい内容を知りたい方は、下記のサイトをご参照下さい。

http://www.jusnet.co.jp/business/