棚卸資産の現物の数量を確認する作業のことを実地棚卸作業
といいますが、売上原価を計算するのに欠かせない業務になります。
材料、仕掛品、製品などの棚卸資産については、日常からその出入りを
台帳などで管理していますが、月末や期末の時点での実際の数量が
台帳データと一致していることを確認します。
この棚卸作業が、期末での重要な忙しい作業となります。
実地棚卸は、実際に数多くの部品や製品の一つ一つをあたって
数量を数えるため、商品等の状態を手にとって確認できます。
例えば色が劣化していれば、一目で不良在庫あるいは
過剰在庫だと分かりますし、出庫、受入ミスにより台帳の数量と
違っていることが分かるので、適正な商品管理の上でも重要です。
そのため、決算時の年１回の実地棚卸だけでは在庫の状況を
的確につかめないため、月に１回などこまめに行うことが大切です。
実地棚卸が終わったらそれぞれの棚卸高の計算をします。
棚卸資産の評価方法には、原価法や低価法がありますが、
一般的には原価法（先入先出法、移動平均法、最終仕入原価法など）
が使われます。

【先入先出法】
期末に最も近い時期に取得したものから順次期末の棚卸資産になると
みなして、その取得価額を評価額として計算する方法です。
【移動平均法】
仕入のつど購入金額と受入数量の合計から単価の平均を計算し、
売上時の払出単価を平均単価とする方法です
【最終仕入原価法】
事業年度の最後に仕入れた単価を期末数量の残に乗じて
期末残高を算出する方法です。

会社ごとに自社の棚卸資産の評価方法を選択し税務署に
届出をします。選定の届出を税務署に提出しないと、
最終仕入原価法で評価しなければなりませんので注意が必要です