（生徒）「先生！経理の合理化について色々教えていただいてきましたが、
　　　　　経理の人材の合理化ってありますか？」

（Dr.K）「一つは経理人員の削減、ずばりリストラ、人員整理だね。
　　　　　もう一つは経理要員のスキルアップだね。」

（生徒）「経理要員のスキルアップといっても、
　　　　　スキルを具体的に測るのはどうするんですか？」

（Dr.K）「そうだね。従来は日商簿記2級だとか、
　　　　　税理士試験科目合格（簿財）とか、
　　　　　公認会計士二次試験合格とか諸々の資格試験合格が
　　　　　一つの目安だったんだ。
　　　　　でも実務の現場では資格取得にかかわらず実務をこなしている
　　　　　経理の人はたくさんいるんだ。
　　　　　一方で資格は取得したけど実務は皆目出来ない、
　　　　　未経験だという人もたくさんいるんだよ。」

（生徒）「資格だけでは経理実務家としての
　　　　　実力・スキルは測れないんですね？」

（Dr.K）「人材エージェントと求人企業と求職者の三者で
　　　　　スキルに関するミスマッチが起きているんだ。
　　　　　求職者本人は『年次決算までは出来ます。』といっているのに、
　　　　　いざ就業させて見たら求人企業の期待していた『年次決算まで』と
　　　　　乖離が激しかったというケースはよく起きるんだ。
　　　　　人材エージェントも両者の『年次決算まで』というレベルを
　　　　　明確に掴めなかったんだね。」

（生徒）「人材エージェントはどうやってスキルを測かっているんですか？」

（Dr.K）「しっかりした人材エージェントや求人企業は永年のノウハウを
　　　　　蓄積した独自のスキルチェック表など作って測っているんだよ。」

（生徒）「それでは人材エージェントや求人企業毎に違いが出てしまいますよね。」

（Dr.K）「そうなんだよ、そこで経済産業省が音頭をとって
　　　　　実業界や人材エージェント、学識経験者などに研究してもらい、
　　　　　実務基準として2004年5月27日に『経理・財務サービス　スキルスタンダード』
　　　　　が公表されたんだよ。
　　　　　これで経理・財務サービススキルを測る実務の統一基準が出来たんだ。」

（生徒）「経理・財務の職種だけですか？」

（Dr.K）「将来は他の職種の『スキルスタンダード』が作られると思うよ。
　　　　　経理要員のスキルアップはこの『経理・財務サービス
　　　　　スキルスタンダード』を利用していくんだね。
　　　　　今年は多くの企業が新入社員のテキストに採り入れてきているから、
　　　　　現役の経理要員は当然この『経理・財務サービス　スキルスタンダード』
　　　　　を理解しておく必要があるね。
　　　　　自分がどのレベルか確認し、レベルアップを図ることだね。」

（生徒）「早速、『経理・財務サービス　スキルスタンダード』を見てみます。」

注：『経理・財務サービス　スキルスタンダード』は下記で見て下さい。
http://www.meti.go.jp/policy/servicepolicy/contents/management_support/files/keiri-zaimu.html