“経験のお薬”〜ドクターＫのお悩み散薬一袋〜
「交際費ってなに？（３）損金にならない費用」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ドクターＫより）

（Ｋ）さて、いよいよ「交際費」の具体的な説明に入っていこう。

　　　　　　交際費とはこのように定義される。
　　「事業に関係のある者（仕入先・得意先・株主・社員等）に
　　　対して、接待・慰安・贈答などのために支出する費用」

　　　　　（患者）難しい表現ですね・・・。

（Ｋ）まあ、ひらたく言えば、会社の業務が円滑に運ぶようにする
　　　ために、事業に関係のある者に対して恩恵を与えることだよ
　　　ね。ただ注意する点は、会社の役員や従業員もその対象と
　　　なっているところ。いずれにしても、なんらかの見返りを
　　　期待して使われる費用と言える。

　　　例えば、得意先を食事やゴルフで接待したりなどは、一般的
　　　に行われているよね。

（患者）交際費の内容はなんとなくわかりました。
　　　　でも、何で交際費が「会計上は費用になるが税務上は損金
　　　　にならない」ということになるのですか？　

　　（Ｋ）交際費が「業務遂行上の理由」で支出されるとする
　　　ならば「会計上」の費用になるのは当然のことだよね。

　　　ただ、「税務上」損金とならないのは以下の理由があるから。
　　　(1)交際費は会社の冗費を助長し経営の健全化を妨げるから
　　　(2)交際費は事業との関連が少ないことが多く、また、特定の
　　　　者のみが恩恵を受けることが通常であるから

　　　　　　　　仮に交際費を税務上損金として無制限に認めたら、国としては
　　　税収が確保できないという政策的な理由が根底にあるよね。


　　　　　（患者）うーん、よく考えると「損金にならない費用」ということは
　　　　その分、税金を払わなくてはならないという意味ですよね。
　　　　それは神経質になる必要がありますね・・・。

（Ｋ）最後にもうひとつ。
　　　交際費は原則、損金とされないのだけれど、規模が小さい会社
　　　（資本金一億円以下）に関しては、一部損金として認められる
　　　ということも覚えておこう。
　　　自分の会社がこれに該当するかどうかは必ずチェックしておく
　　　必要があるよ。

　
＜編集後記：ドクターＫです＞

　３月決算の多くの企業にとって、９月はちょうど折り返し地点
　ですね。そういった区切りを意識して取り組むと、単調になりが
　ちな日常業務にもリズムがでてくるようです。