“経験のお薬”〜ドクターＫのお悩み散薬一袋〜
「法人税ってなに？（5）　”損金不算入”とは」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ドクターＫより）

（Ｋ）　申告調整には「(1)益金算入　(2)益金不算入　(3)損金算入
　　　　(4)損金不算入」の4パターンがあると前回説明したよね。
　　　　　この中で、一番重要で、かつ、実務担当者を特に悩ます
　　　　ものが(4)の損金不算入になるのだよ。

（患者）それは（会計上）は費用に含まれるけれども、（税務上）
　　　　は損金に含まれないものですよね。
　　　　　具体的に、うちの会社の法人税額に、「損金不算入」は
　　　　どのような影響を及ぼすのですか？ 　　　
（Ｋ）　実際に数字を使って説明すると・・・

　　　　○【会計】　収益（100）−費用（70）＝利益（30）

　　　　　　　　会計上のＰＬでは、利益が30となっているけれど、例えば
　　　　費用（70）のうち、税務上は費用（損金）として認められ
　　　　ない部分（損金不算入）が（10）あったとすると・・・

　　　　○【税務】　益金（100）−損金（60）＝課税所得（40）　　
　　　　このようになる。つまり、単純に比較すると、（会計上）
　　　　よりも（税務上）の「もうけ」の方が多くなっている。
　　　　「法人税額」が「課税所得」に「税率」をかけて求める
　　　　ことを考えると、この「損金不算入」とは、支払うべき
　　　　税金額が増える要因、というイメージになるかな。　

　　（患者）税金が増えるとはイヤな話ですね・・・。
　　　　でも、何で会計上は費用として認められるのに、税務上は
　　　　認められないというような事があるのですか？
　　　　ちょっと納得できませんよ。

　　　　　（Ｋ）　まあ、企業会計原則と法人税法では、そもそものコンセプ
　　　　トや目的が違うからね・・・。

　　　　　　　　ちなみに、具体的に「損金不算入」に該当するものとして
　　　　は、「交際費」・「寄付金」・「役員賞与」など。　
　　　　すべて重要なので、これらについては、しっかり勉強して
　　　　おかなきゃダメだよ！

　　　　さて、このように（会計上の利益）から（税務上の所得）
　　　　が求められたら、法人税額の確定までは、あともう一歩！

　　　　（ここでは、一番重要な「損金不算入」を取り上げたけれ
　　　　ど、もちろん(1)〜（3）も必要があれば調整を加えること！）


＜編集後記：ドクターＫです＞

いやいや、ご質問を頂いた中村さん、こちらこそ、今後ともよろし
くお願い致します。シークレット講座をお申込頂いた皆様、当日
お会いすることを楽しみにしています。後5名ほど、ご参加頂けます
ので、今年最後の思い出をつくりましょう（笑）