ビール業界がリベートを廃止してから半年以上が経ちました。
その間、店頭価格は全国平均では緩やかに上昇しているようですが、
大手スーパーは卸売会社を通さず、
メーカーから直接納入することで店頭価格を据え置いています。
それだけ値上げは難しいのでしょう。
この見直しはリベートが常態化し、刺激策として機能しなくなり、
卸売業者がリベート目当てで大量に売りさばこうとして過当な安売り
競争に陥ったためにとられた処置でした。

このリベートですが、経理用語では「売上割戻し」といいます。
売上割戻しとは一定期間に多額又は多量の取引をした取引先に対して
一定金額を金銭で支払うことをいいます。
要するに売上を伸ばすために支払われるものです。

仕訳例）　商品を大量に購入してもらったのでリベートとして
　　　　　10％を当座から振り込んだ。価格は150万円。
　
（借）　売上割戻し　150,000　（貸）　当座　150,000

経理の損益計算では売上割戻しは売上高から控除する形になります。

また、売上割戻しは「感謝的要素」が強く、その算定金額自体に
恣意性が介入する可能性が高いため、
納税者側で「売上割戻し」として処理しても、
課税当局から「交際費等」として否認されることがしばしばあります。
「売上割戻し」が「交際費等」に該当しないためには
以下の要件が必要になります。

１．法人の得意先である事業者に対して支出するものであること。
　　→得意先の従業員は×で交際費になります。
　　　　（特約店の従業員は○で売上割戻し）
２．売上高、売掛金の回収高に比例しているか、又は得意先の営業地域
　　の特殊事業、協力度合い等を勘案して支出するものであること。
３．金銭で支出するものであること。
　　→基本は金銭での支出ですが、事業用資産又は小額物品
　　　（購入単価が3，000円以下）の交付は○、旅行・観劇などに
　　　招待する費用は×で交際費になります。

蛇足ですが、中国では税務局がリベートを払ってくれます。
各企業が個人から源泉徴収して納税した合計金額の2％を税金を徴収
してきたお礼として現金で払ってくれます。
「退税」と呼ばれ、「退税申請書」に記入して提出すれば、6ヶ月以内に
税務局から支払い通知が届きます。