（Ａ）「冗談、冗談です。」

（Ｖ）「・・・。掛取引の仕訳を覚えてね。よく、簿記の問題で、
『代金は掛けとした』と書かれているときが、掛取引になるんだよ
。」

（Ａ）「商品を売って、すぐに、支払わないのが、『売掛金』にな
る。」

（Ｖ）「そうね。よく、なじみの飲み屋さんにいって、『おやじ、
今日は、つけといて！払いは、給料日の後でね。』なんて言うでし
ょ？経理では、このことを『掛け』と言うんだよ。」

（Ａ）「へえ〜、会社同士でもそんなことやるんだ・・。」

（Ｖ）「うん。会社の経理は、各取引毎に、今月の売掛金があるか
？今月、いくら支払ってもらえるのか？必ず確認しているんだよ。
よく、『売掛金管理の仕事ができる人募集！』『請求書のチェックが
お仕事です。』なんて求人あるでしょ？それは、この『売掛金』残高
を各取引先毎に照合する仕事のことだよ。」

（Ａ）「そんなに難しくはなさそうね。」

（Ｖ）「仕事自体はさほど経理知識がいるものではないので、初
心者でも行なえる業務だね。だけど、これが結構骨が折れる仕事な
んだよ。」

（Ａ）「そうか。取引先が数百箇所あったり、販売している商品の
価格帯がバラバラっだりすると、結構面倒だね。」

（Ｖ）「毎月、毎月、得意先元帳の残高と総勘定元帳の売掛金の残
高が同じかどうか、確かめないといけないんだよ。それに、この仕
事は結構推理する力が試されたりするんだよ。経理センスが試され
るというか。」

（Ａ）「どうゆうことなの？」

（Ｖ）「値引きがあったり、振込み手数料が差し引かれていたり、
取引条件が、得意先毎、その取引先毎に違う場合があるんだよ。時
には、得意先から振り込まれる金額が間違っているなんてこともあ
るしね。
その金額は、どの数字とどの数字で成立っているのか？？なんて考
えながら取引先毎に残高を確かめていくんだよ。」

（Ａ）「なるほど。」

（Ｖ）「経理初心者でもできるけど、取引先と接点がある仕事。こ
の業務にミスするとその得意先を見つけてきた営業マンからも、得
意先からも信用がなくなる仕事だよ。地味だけど、本当に大切な仕
事だね。」