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会計不正、中小・新興で顕著 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73617740V10C23A8DTA000/
去る7月28日(金)、日本公認会計士協会から、「上場会社等における会計不正の動向(2023年版)」が公表された。会計不正を「粉飾決算」と「資産の流用」に区分し、2023年3月期において公表された34社の内、75%が「粉飾決算」であり、東証上場市場別には前期と比較してプライム企業は5社減る一方、スタンダード企業は16社、グロース企業は7社、いずれも増加したとの報告がなされた。
8月16日付の日本経済新聞では、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードにおいて内部監査体制の強化が明記されたことが寄与したことにより資金力のある企業においては会計不正が減少する傾向がある一方、リソースの乏しい中小・新興企業では厳しい状況となっている旨指摘されている。
近畿日本ツーリスト(株)は、2020年以降、地方自治体などから新型コロナウイルスワクチン接種会場の運営や同コールセンター業務を受託し、自治体に報酬を請求していたが、その際の人件費、最大約10億円を水増し請求していたことが明らかとなった。
親会社のKNT-CTホールディングス(株)は、8月8日、第三者委員会報告書の中で、原因分析および再発防止策の提言項目として、内部監査機能の不全、内部監査部門の強化と社内での地位向上を挙げているが、こうした提言は不祥事を起こした企業の多くの第三者委員会報告書に共通するものである。
同法則は、生きたカエルを水に入れ、常温状態から徐々に沸騰させると危険を察知できず、そのまま茹でられて死ぬという説話である。緩やかな環境変化に慣れ、あるいは気づかず、それが常態化する内にやがて致命的な結末を向かえるという警鐘である。
生物学的見地からの妥当性はともかく、小さな不正が徐々に大きくなり、やがて企業を悲劇的な倒産へと追い込む、こうした事例は、枚挙にいとまがない。
内部監査は、企業内部の立場から、不正が常態化した馴れ合い体質となることを未然に防止するとともに、不正が起きた場合にタイムリーに発見するという意味でも重要な役割を果たす。
欧米では、内部監査人は、様々な会社のマネジメントやインターナルコントロール等を体感するがゆえに経営幹部への登竜門であると言われる。実際に、内部監査人として会社のあらゆる業務の実態に触れることで、最新の経営感覚を磨くこともできるのである。
翻ってわが国の状況を鑑みるに、内部監査部長の経歴一つとってみても、性善説のDNAを持つ、監査嫌いとも言える日本人の気質も影響してか、かつては閑職に近い位置づけであった。昨今は、経営の中枢を歩んできたキャリアを持つ人物が選任されるケースが目を引く。
また、IPO(株式公開)を目指す、人的資源が不足している企業においても、公認内部監査人(CIA)、公認会計士等の外部専門家とのコーソースにより内部監査部の増強を図ることが、証券取引所の審査においても高い評価を得る傾向があると伝え聞くところである。
内部監査は、コーポレート・ガバナンス並びに社会課題を解決するサステナビリティ経営の重要な一翼を担う。企業経営者の一層の理解とともに、次代を担う若い人たちを中心に、内部監査業務への積極的なチャレンジを期待したい。
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