第二次岸田再改造内閣決定~女性入閣5名、初入閣11名は過去最多~

外相に上川陽子氏、女性閣僚5人 第2次岸田再改造内閣の顔ぶれ決まる(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20230912-YGQ6V3LEOJNN7L4WZ2WU32OYEI/

2023年9月13日、第2次岸田再改造内閣の顔ぶれが決定した。

既に、女性版骨太の方針で、2030年までに東証プライム市場の女性役員比率30%目標を公言している岸田政権、今回の改造内閣では、過去最多の5名の女性閣僚が誕生した。全閣僚に占める割合は4分の1超、衆議院議員の女性比率が10%(190か国中165位)と低位に留まる中、女性閣僚を2名から5名(衆議院4、参議院1)へ増員したことは、評価に値する。

出展:内閣府男女共同参画局

特筆すべきは、法務大臣等数多くの入閣経験を誇る上川陽子氏の外務大臣人事か。世間一般には、地下鉄サリン事件等日本中を震撼させたオーム真理教事件に関して、法務大臣として、教祖・麻原彰晃をはじめ13人の死刑執行に署名したインパクトが強いかもしれない。

一方で、ケネディ・スクール(ハーバード大学・公共政策大学院)修了や米・マックス・ボーカス上院議員のスタッフを務めた経験を持ち、語学力の高さは折り紙付きの上、現在、女性・平和・安全保障 (Women, Peace and Security: WPS) に関する国連安保理決議を支持する議会人ネットの日本代表として活動中であり、英国のロング・ボトム特命駐日全権大使との親交も深く、その手腕が注目される。加えて、魑魅魍魎渦巻く永田町の世界において、これまでのキャリアをほぼノースキャンダルで歩んでこられた危機管理能力(?)の高さも興味深い。

一方で、新入閣議員11名の顔ぶれを見ると、半数以上が派閥の推薦によるものであり、第一派閥の安倍派4名から順に、麻生派4名、茂木派3名、岸田派2名、二階派2名と、2024年9月の自民党総裁選を視野に、党内の勢力バランスに配慮した結果、迫力のないものとなったとの指摘もある。野党からは、「肩透かし内閣」、「総裁選対策内閣」との声も上がる。

内閣支持率「38.7%」といったん下げ止まった感のある岸田政権、改造内閣では、いよいよ正念場を迎えることになる。

著者プロフィール

三宅 博人(みやけ ひろと)

【現職】
公認会計士
公益財団法人日本内部監査研究所 研究員
経済人コー円卓会議日本委員会 監事
日本コーポレートガバナンス・ネットワーク 企画委員

【専門分野】
コーポレート・ガバナンス、内部監査、リスクマネジメント、CSR(企業の社会的責任)、サステナビリティ 等

【経歴】(関連諸団体のみ)
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科 客員教授
日本公認会計士協会 会計士補会・代表幹事/最高顧問、国際委員会・委員(国際監査基準担当)、東京会・広報担当幹事
日本公認不正検査士協会 評議員
日本内部統制研究学会(現・日本ガバナンス研究学会)監事

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