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第2章 決算書の閲覧 第1節 大企業(EDINETを用いる方法)

1.いろんな会社の決算書を見る!

第1章では決算書の種類について述べましたが、第2章ではいろんな会社の決算書をどうすれば見ることができるのか、すなわち決算書の閲覧について説明します。まず、第1節では大企業の決算書の閲覧についてです。大企業の決算書は、インターネットを使って容易に閲覧することができるので、目的に応じていくつか方法を紹介します。

2.各社のホームページ

今の時代、大企業は自社のホームページに決算書を載せています。IR(インベスター・リレーションズ;Investor Relations)という言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、IRとは、貸借対照表、損益計算書などの財務情報を投資家に向けて発信することです。

IRは法律で定められているわけでなく、企業の自由な意志にもとづいて情報を発することによって、会社の状況を世の中に知ってもらおうとしているのです。

ですから、大企業でこの会社の決算書が見たいんだ!という場合は、その会社のホームページを見るのが手っ取り早いと思います。通常は、直近だけでなく、過去の数年分を掲載していることが多いです。

3.EDINET

それに対して、特定の1社だけでなくいろんな会社の決算書を見てみたい!という場合は、金融庁が行っているEDINETというサイトを利用すると良いです。株式を上場している大企業は、有価証券報告書という書類を金融庁に提出しなければならないのですが、以前は紙ベースでの提出だったのが、今は原則として電子提出することになっています。それを私たちはEDINETというサイトで閲覧することができるのです。

EDINETでは、企業名を検索するだけで、閲覧したい会社の決算書をすぐに見ることができます。ちなみに先ほど、各社のホームページに決算書が掲載されているといいましたが、実際には各社のホームページからEDINETにリンクされているケースも多々あります。

4.EDINET以外のサイト

EDINET以外のサイトでも、決算書すべてという訳にはいきませんが、ある程度の財務情報を入手することができます。代表的なものとして、日本経済新聞のサイトやYahoo!ファイナンスがあります。売上高、営業利益、経常利益、総資産だけでなくROEなどの経営分析の数値なども知ることができます。

これらのサイトは、どちらかというと株式投資目的用といえますが、手早く大企業の主な決算書の数値を知りたい場合は、役立つと思います。

執筆者プロフィール

南 伸一
簿記の教室メイプル代表

1971年鹿児島県生まれ。
1995年公認会計士2次試験合格。大手監査法人に勤務後、1997年に簿記の教室メイプルを立ち上げる。大手町校(東京都千代田区)と草加校(埼玉県草加市)の2教室の他、通信講座も行っている。著書に「絵でみる簿記入門」(日本能率マネジメントセンター)、「超スピード合格日商簿記3級」(成美堂出版)、「ギモンから逆引き!決算書の読み方」(西東社)などがある。

現在は、教室の経営、講義、執筆の他に、大手TV局100%子会社の財務・経理の責任者業務、大手電力会社の審査担当部署の会計アドバイザー業務、監査法人での監査業務など、様々な実務にも携わっている。