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■持株会社とはどんな会社か?
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「会社の総資産に対する子会社の株式の取得価額の合計が50%を超える会社」と定義されます。(改正独占禁止法第9条3項参照)
さらに、「子会社は、親会社による持株比率50%越の会社とする。間接保有により50%を超える場合を含む」と定義されます。
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■純粋持株会社における業績管理
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独占禁止法改正をうけて純粋持株会社が設立されるようになると業績管理のあり方は一変します。主力事業も子会社化され、ROE(Return
On Equity=自己資本利益率)などの経営指標をもとに他の子会社群と並列的に管理されるようになります。
規模が大きくても資本効率が悪ければ主力事業担当子会社の経営者も厳しい評価を受けることになります。純粋持株会社の設立によってはじめて全事業の業績管理を客観的に、公平に行うことが出来る様になります。
年月を重ねるにつれ、経営者、社員の本業に対する意識も変わってきます。
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■持株会社のメリット
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@戦略と事業の分離
第一に上げられるのが「戦略と事業の分離」です。すなわち、持株会社本社は、企業グループ全体の戦略の発動と経営管理・リスクマネジメントを行い、各々の事業会社は、担当する事業をひたすら推進するというものです。
経営機能の推進母体の分離により企業グループ全体の経営効率を向上させることができます。
このメリットを発揮するためには、事業兼営持株会社では不十分であり、純粋持株会社を設立する必要があります。
事業兼営持株会社では、どうしても事業兼営持株会社本体が担当する主力事業の状況に、企業グループ全体の戦略が引きずられがちになる為です。
純粋持株会社によってはじめて小さな本社による機動的な戦略の発動が実現できます。
A経営構造変革のスピードアップ
M&A、営業譲渡・営業譲受等の大規模な経営構造変革は、法的手続に加え、関係者のコンセンサスの醸成に時間を要し、また、困難を伴うものです。
特に、合併・営業譲渡により、他の人員を受け入れた場合には、人の融和に数年から数十年かかるようです。持株会社経営の場合には、M&Aの手段としては合併よりも買収により、買収した会社は持株会社傘下の一事業会社となる。
営業部門等、統合が必要な部門のみ、人員の移籍等により統合させる等の多様な手法を取ることが出来ます。
合併の歳に必ず悩む労働条件、賃金体系をいかに統一させるかと言う人にまつわる問題から開放される意味は大きい。
従来、合併によっていた統合手法に買えて、持株会社を核とした各種代替方法を講じることにより経営構造変革のスピードアップを図ることができます。
Bグローバル・スタンダードの充足
欧米の企業は従来から持株会社を選択可能な経営手法と捉え、必要に応じ様々な形態の持株会社を設立してきました。
親会社本体が持株会社となることもあれば、下位の系列会社を持株会社とすることもあります。
又、海外事業等、特定の事業分野を対象とした持株会社も設立されていますし、 さらに経営戦略の変更を受けて、これらの組織形態が、変更、解消されることもあります。
わが国の企業が、事業部制組織を経営組織のひとつのあり方と活用しているのと同様に、欧米企業は、単一企業の枠を超え、企業グループ全体の経営構造の視点から持株会社を活用しています。
必要に応じて持株会社を活用できると言うことは、経営のグローバルスタンダードです。持株会社解禁となった今、わが国の企業は、経営のグローバルスタンダードを充たした事になります。
但し、このメリットを享受するためには、必要な局面でいつでも持株会社を設立出来る様に、よく研究・準備する必要があります。
C経営責任の明確化
純粋持株会社傘下の事業子会社では自立した法人として独立採算の経営が行われます。
事業部制、カンパニー制などの従来のわが国の組織形態では、不十分であった経営責任の明確化を、純粋持株会社組織で実現することが出来ます。
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■持株会社のデメリット
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@経営の求心力の低下
担当する事業の成長に邁進する事を要求される事業子会社は、自立性、主体性を高め、親会社に対して遠心力を働かせることになります。
それだけ企業グループの経営の求心力は低下することになります。
このデメリットを克服するためには、しっかりとした経営哲学を持って企業グループを束ねる理念、経営ビジョンを確立することが重要です。
A税負担の増加
現行の税制では会社間の損益通算が認められません。従って、黒字の事業部と赤字の事業部を分社して別々の事業子会社を設立した場合、一般に税負担が増加します。
これは、一つの会社の中では好業績事業の黒字は不振事業の赤字と相殺されて会社全体の課税所得は小さくなるが、別会社にすると、好業績会社の黒字が、そのまま課税対象となるからです。
持株会社が解禁となった今、経営組織を再編して持株会社を作るべきか。これは慎重に検討しなければならない経営課題です。
従来の純粋持株会社が認められていた米国で持株会社を持つ企業グループが必ずしも多くはないことを考えれば、企業グループの経営形態として持株会社が唯一最適の方法と言えないのは明らかです。
また、持株会社の多い欧米でも解消するケースも多々あります。反面、欧米、アジアの成長企業には、持株会社を核にした企業グループの運営体制が良く見られます。アメリカ企業では、海外事業統括会社を持株会社としているケースが多いです。 持株会社が有効な局面があることも事実です。持株会社は万能ではありません。持株会社は、経営の一つの選択肢です。
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■金融持株会社と一般事業会社
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金融持株会社とは銀行業、保険業、証券業等の金融関係の会社を傘下子会社とする持株会社のことであり、一般の持株会社が金融関係以外の事業を営む会社を子会社に持つ点で異なります。例えば、アメリカのシティ・コープなど挙げられます。
金融持株会社の必要性は今回の持株会社解禁論推進の中で大きな役割を果たしてきました。金融業界では従来業界全体の活性化、顧客に対するサービスの多様化のため銀行、証券といった業態の枠を取り払うなどの規制緩和を求める動きが強く、金融持株会社を認めるべしとする論拠もこれに基づくものが多かったですが、さらに近年金融破綻救済策の一つとして持株会社方式が注目され、その方面からも解禁が声高に叫ばれていました。
なぜ不良債権を抱え込んだ銀行を他の有力銀行が吸収合併することは難しくても、有力銀行と破綻に瀕した銀行の双方を子会社とする持株会社を設立すれば、そのグループ全体の信用を背景に不良債権処理がしやすくなりますし、破綻に瀕した方の銀行独自にリストラを進めることが出来るからです。
しかし、金融機関は産業経済活動にとって有力な資金供給源であり、その日々の営みは国民生活にかかわる極めて公共性の高いものです。
このため、金融関係の会社は私企業として全く自由と言う訳にはゆかず、その公共性、信用性、預金者や投資家の保護等の観点から、様々な規制を受けざるを得ません。
従って、持株会社が解禁となっても金融関係の会社を子会社とする金融持株会社の場合は、やはり上のような規制に服させるべきです。
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■はじめに
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純粋持株会社を設立する方法として7つの方式が挙げられます。
設立時の親会社の組織形態、企業グループの運営形態、および、純粋持株会社の目的に応じて一連の方法の取捨選択を行うことになります。
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■分社方式
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特定の事業部門を分離・独立させて子会社を作ることを「分社」といいます。分社により設立された子会社群を統括して企業グループを運営することを「分社経営」と言います。
わが国では、大企業から中小企業まで分社経営は幅広く行われています。
また、積極的な事業再構築(リストラクチャリング)の手法としても分社は幅広く行われています。従って、一般の事業会社の場合には分社方式によって純粋持株会社を設立する方式が最もなじみ易いと考えられます。
分社方式による場合、会社の事業部門を各々の事業を担う事業子会社として分社します。分社後の親会社には戦略スタッフだけ残して、純粋持株会社に衣替えします。
分社の手法として大別して「現物出資」による方法と「営業譲渡」による方法があります。
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@現物出資による方法
(a)現物出資による新会社の設立・・・事業部門の財産を現物出資して事業子会社を設立する方法
(b)新会社設立後の現物出資・・・一旦金銭出資によって事業子会社を設立し、設立後に事業部門の財産をその会社に現物出資する方法。
(c)既存子会社に対する現物出資・・既にある子会社に事業部門の財産を現物出資して事業子会社を設立する方法。
A営業譲渡による方法
(a)事後設立による営業譲渡・・・金銭出資によって事業子会社を設立し、設立後に事業部門の営業(財産)をその会社に譲渡する方法。事業子会社からみれば営業譲渡を行うことになる。設立時に営業譲渡の対価の資金手当てが必要になる。
(b)財産引受による営業譲渡・・・発起人による財産引受契約を受けて事業子会社を設立し、契約に基づいて事業部門の営業(財産)をその会社に譲渡する方法。事後設立同様、営業譲渡の対価の資金手当てが必要になる。
(c)既存子会社に対する営業譲渡・・・既にある子会社に事業部門の営業(財産)を譲渡し、事業子会社として再編する方法。この子会社の営業譲渡支払資金を確保する為に増資、長期貸付などの資金対策が必要になる。
現物出資、営業譲渡には独占禁止法上の届け出、商法上の検査役の調査(一定の場合には不動産鑑定士の鑑定評価・弁護士の証明で代替可能)などの法律手続が必要です。公開会社の場合には、証券取引法の規制を受けることになります。
又、圧縮記帳制度、土地超過制度など税法規制も多岐に渡っており、税務対策も重要です。
さらに、以上見てきたいずれの方法による場合も、事業子会社として分社される事業部門は、事業部、ビジネスユニットなど一体性のある事業体として社内分割されていることが前提になります。
従って、機能別組織体制の会社など社内で事業分割されていない会社は、一足飛びで分社経営を行うことには無理があります。
まず、事業部制の採用など、企業内分社を検討することが望ましいです。
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■事業兼営持株会社再編方式
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わが国の大企業、中堅企業の多くは親会社本体で事業を行うと共に、傘下に事業子会社をもつ事業兼営持株会社です。
事業兼営持株会社の場合、事業子会社の運営を通して分社経営の枠組は、出来ているということが出来ます。
これらの会社を純粋持株会社に再編する為、親会社内部で運営されている事業部門を分社して事業子会社として独立させ、既にある事業子会社と並列に位置付ける方式が適しています。
完全分社後の親会社は戦略スタッフだけ残る純粋持株会社となります。
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■カンパニー制組織再編方式
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カンパニー制は持株会社解禁前の企業グループの組織形態としては持株会社経営に最も近い形態です。
カンパニー制では、親会社の各事業部門は関連する事業子会社群とともにカンパニーとして一体運営されています。
親会社を純粋持株会社に移行させるためには親会社内の事業部門を分社して関連する事業子会社と統合する方式が適しています。
分社・統合の方法としては各種手法の組み合わせが考えられます。例えば、既にある各カンパニーの中核的な事業子会社に親会社内の事業部門を現物出資、営業譲渡する方法、カンパニーを統括する新たな事業兼営持株会社を親会社の傘下に設立する方法です。
再編後の親会社は戦略スタッフだけ残る純粋持株会社となります。 
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| ■特定部門統括会社設立方式 |
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親会社の傘下に海外事業、重点戦略事業等、特定の事業部門を統括する純粋持株会社を設立する方式です。
欧米・アジアでは、持株会社を自由に活用する外国企業とイコール・フッティング(共通の土俵)で戦うために、わが国の先進的な国際企業は早くから地域統括会社として持株会社を海外主用拠点に設立して域内事業を統括させてきました。
世界規模で事業を展開する大企業の場合、北米・欧州・アジアに地域統括会社を設立し、日本本社と合わせてグローバル四極統括体制を構築している例が見られます。
アジア地域の統括拠点としては、香港、シンガポール、そして最近はクアラルンプール(マレーシア)が選ばれるケースが増えています。
理由として
@日本でこれまで純粋持株会社が禁止されていた
A香港、シンガポールは投資優遇措置を講じ、持株会社を積極誘致してきたこと
B税金、人件費、事務所家賃等のコスト面で日本より有利
Cアジア中央に位置していて、地理的利便性がある
このような経営環境の変化を受け、海外事業を統括する純粋持株会社を日本国内で親会社の傘下に設立することも一つの選択肢として考えられるようになりました。
特に、海外事業関係の書類は、国内事業同様、日本語を基本とし、海外子会社幹部も参加する国際会議を日本語で行っている会社は、親会社の本社社屋内に海外事業統括会社を設置するほうが統括の実をあげる事が出来るのではないかと考えられます。
設立方法として、親会社海外事業部門の分社による新会社設立が基本方式となります。親会社が所有していた海外子会社の株式は新会社に譲渡します。
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| ■分社合併方式 |
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M&A(合併・買収)のスピーディな実行も持株会社経営に期待されます。
まず、当事会社が事業部門をすべて分社して事業子会社を設立します。次に、抜け殻となった当時会社が合併し、合併会社は戦略スタッフを残す純粋持株会社となります。
これらの一連の手続を短期間で行い、合併前の各社は、合併後はそのまま純粋持株会社傘下の事業子会社となるようにします。
このように戦略レベルの統合をスピーディに果たし、現場レベルの統合は、時間をかけて進める手法は日本的経営の骨頂です。
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| ■合併代替方式 |
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持株会社設立により合併と同じ企業結合を実現する方法です。
次に、各株主から純粋持株会社に当時会社の株式を現物出資して純粋持株会社の増資新株の割り当てを受け、当時会社を純粋持株会社の事業子会社として統合します。
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| ■事業整理方式 |
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オーナー経営者の財産保全会社など、従来、純粋持株会社が認められていなかった為に、何らかの事業を行うことにより事業兼営持株会社を設立していたケースに利用する方式です。これらの会社の事業として保険代理店業務、不動産管理業務などが名目的事業として選ばれていました。
これらの会社の目的は株式所有による会社支配ですから、このような名目的事業は事業子会社に移管する等の整理を行い。不採算事業は廃業して、純粋持株会社、すなわち本来の姿に衣替えします。
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■設立の法務手続
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持株会社が他の事業を営むことについて
子会社の株式取得価額の合計額が会社の総資産額の50%を超える会社と言うことであって、事業活動の目的自体には何らの制限も設けていません。
持株会社を設立するのは、多くの場合「戦略と事業の分離」による事業活動支配を目的とするのですが、これと併せて他の事業活動を営むことは可能です。
従って、例えば持株会社が大きなビルを保有し、これを子会社その他のテナントに賃貸して収益を得るような場合には、定款の目的欄に「不動産の賃貸、管理」などを加える事となります。
子会社の商号と本店所在地について
持株会社を作る方式のうち、まず子会社を作り、そこに持株会社の資産を現物出資したり、営業譲渡したりするやり方は、実際の事業活動を現状のまま続けながら、只、法律上の経営主体が、従来の会社から子会社に移るだけでスムーズに持株会社が実現します。その際、子会社は、商号をどうするか、どこに設立するか注意して下さい。
通常、このような方式を取る場合、従来の会社の本店とほぼ同じ場所に本店をおくことになるでしょう。しかし、同じ本店所在地に事業目的を同じくする類似商号の会社を設立することは出来ません。
現物出資について
現物出資とは、金銭以外の財産を持って会社に出資することです。出資の現物は、会社の資産に計上し得るものであれば何でも良く、動産、不動産、株式その他の有価証券、債権、無体財産権、暖簾、営業の全部又は一部でも良い。しかし、その現物を過大評価して出資者に不当に多くの株式を取得させることを防止するためなどの目的から裁判所が専任した検査役による調査を要するなど厳格な手続を要し、それだけに金銭出資に比べ手間と時間のかかる事を覚悟する必要があります。
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