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近年、不況の影響もあり、取引依存度の高い親企業から下請代金の支払遅延、下請代金の減額、買いたたき、返品などの不利な取引条件を強いられるケースが増加しています。あまりに理不尽な取引を要請された場合には、親企業の不公正な取引行為を規制するため制定された「下請代金支払遅延等防止法(以下、下請代金法)」に基づき、公正取引委員会および中小企業庁から親企業に対して、指導・勧告などの措置をとらせることができます。「下請代金法」には、親企業の義務・禁止事項として次の規定がなされています。 ・ 親企業に課せられる義務=取引条件を記載した注文書の交付、下請取引に関する事項を記載した書類の作成と保存(2年間)、支払期日および遅延利息支払の規定があります。 ・ 親企業が行ってはならない事項=注文した製品の受領拒否、下請代金の支払遅延、下請代金の減額、受け取った製品の返品、下請代金の買いたたき、下請企業にとって不要な物品の購入の強制、行政庁へ知らせたことを理由とした報復措置、割引困難な手形の交付。「下請代金法」の実効確保措置として、公正取引委員会および中小企業庁長官は、親企業または下請企業に対して報告の徴収および検査を行います。親企業の違反行為が確認された場合、速やかに是正勧告が行われます。親企業が勧告に従わなかった場合には、これを公表することにしています。 下請中小企業振興法の役割 親企業の協力の下、下請中小企業の振興を図るために「下請中小企業振興法」という法律があり、次の3つの内容を規定しています。 ・ 下請事業者および親事業者のよるべき振興基準の策定とそれに関する助言と指導。 ・ 下請事業者の事業協同組合が親事業者の協力を得ながら作成、推進する下請事業計画制度。 ・ 下請取引の円滑化を図るための下請企業振興協会。 (振興事業計画への支援) 「下請中小企業振興法」に定められている「振興事業計画制度」とは、特定業種に関連する親事業者の下請事業者で組織している事業協同組合が、その親事業者の協力を得て振興事業計画を作成し、国の承認を受けると計画達成に必要な金融、税制上の助成措置が講じられるという制度です。 ・ 振興事業計画制度 ・ 金融上の支援措置 a) 中小企業金融公庫の下請中小企業対策貸付 b) 商工組合中央金庫の活用 c) 中小企業事業団の高度化事業貸付 ・ 税制上の優遇措置 <下請企業のための支援機関と支援融資> 「下請中小企業振興法」に定められている3つ目の柱が、下請取引の円滑化のために設置されている「下請企業振興協会」です。 (都道府県下請企業振興協会) 下請取引の円滑化を図ることによって、下請中小企業を振興しようとする各都道府県に設置された公益法人で、次のような業務を行っています。 ・ 下請取引の斡旋 ・ 下請取引に関する苦情・紛争などの処理 ・ 下請中小企業のための情報の収集および提供 ・ 中小企業体質強化資金助成制度の認定書発行 (全国下請企業振興協会) 都道府県下請企業振興協会の中核機関として、広域かつ組織的な取引斡旋を行っています。 (国際下請取引情報センター) 下請企業と日本に進出した外国企業との新たな取引関係を開拓し、日本の下請分業構造への国際的理解の増進と、下請企業の多角化を図るために必要な各種情報の収集および提供を行っています。 (下請中小企業調整円滑化資金貸付制度) 親事業者の構造調整に伴い影響を受ける下請中小企業の新分野進出などを円滑にするため、中小企業体質強化資金助成制度の一環として「下請中小企業調整円滑化資金貸付」と「緊急支援貸付」が設けられており、民間金融機関および商工組合中央金庫を通じての融資がなされています。 (下請企業調整円滑化技術開発助成制度) 「技術改善費補助金」の特定企業枠の中にある制度で、親事業者の構造調整に伴い影響を受ける下請中小企業の新分野進出などのための技術開発に対し、補助金が支給されています。 |