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第 22 回 講 義

 
1.職能別組織(functionalized organization)

  

 やや経営色の強いお話をします。セグメント会計を理解する上で、会社組織に関する知識も必要となります。





◆職能別組織(functionalized organization)とは?
 職能別組織(functionalized organization)は、購買(purchase)、生産(product)、販売(sales)、財務(financial)、研究開発(research and development)といった仕事内容によって会社を部門(department)に分けた(functionalized)組織です。
 仕事内容によって専門化(specialise)しているので、知識(knowledge)や経験(experience)が蓄積されます。
 毎日同じことを繰り返せば上手になりますよね。

 ちいさな会社であれば社長(chief executive officer;CEO)一人で購買(purchase)、生産(product)、営業(sales)、経理(accounting)等をこなしますよね。
 だんだん規模が大きくなると、経理(accounting)はアルバイトにやってもらうとか、社長(CEO)の仕事をだんだんと人にまかせていくようになります。

◆職能別組織(functionalized organization)における管理(management)は?
 ここでの管理会計の目的は、主に部門別(department)costの管理(management)が重要となります。
 したがって部長にcostの予算(budget)を与えて、その枠内での支出の管理(controls on spending)を任せます。
 例えば、A社で今月の総費用(total cost)が100万円で、予算(budget)が80万円の場合、社長(CEO)は部長(department manager)を呼び出して怒鳴りつけます。
 予算(budget)と実際の費用(actual cost)が部門別(department)に把握されていなければ、どの部門で20万円を無駄使いをしたかがさっぱり分かりません。
 社長(CEO)はただただ怒鳴るほかはありません。そして各部長(department manager)は私のせいではありませんと言い訳(excuse)するでしょう。

◆予算管理(Budget Control)
 そこで、予算(budget)を下記のように部門別(department)に設定します。
 購買(purchase) 20万円
 生産
(product) 20万円
 販売
(sales) 25万円
 財務
(financial) 10万円
 研究開発
(research and development) 5万円

 実際の費用(actual cost)を部門別(department)に把握した場合各部長(department manager)は、予算(budget)内でのやりくりを任せられます。
 購買(purchase) 30万円
 生産
(product) 40万円
 販売
(sales) 20万円
 財務
(financial) 5万円
 研究開発
(research and development) 5万円

 予算(budget)と実際の費用(actual cost)との差異(difference)を分析(analysis)します。
 購買(purchase) +10万円
 生産
(product) +20万円
 販売
(sales) △5万円
 財務
(financial) △5万円
 研究開発
(research and development) 0万円

 このように予算(budget)と実際の費用(actual cost)を部門別(department)に把握することで原価を管理(cost management)することができるのです。
 このように会計(accounting)と責任(responsibility)を結び付けたものを責任会計(responsibility accounting)といいます。
 このように一つのbusinessをやっている場合は、とても有効(effective)な組織(organization)です。
 しかしbusinessが多角化(diversified)してくると、どのbusinessが儲かっていて、どのbusinessが儲かっていないかがよく分からないことになります。

 
2.事業部制組織(divisionalized organization)

  

 




◆事業部制組織(divisionalized organization)とは?
 個々のbusiness毎に会社を部門化(departmentalize)した組織です。個々の事業部の独立性(independence)が高く、ある程度自由にbusinessを行うことができスピーディーな経営(management)が可能となります。
 個々の事業部(division)が独立したbusinessを行っているので、事業部の業績評価(performance evaluating)は、事業部(division)毎に儲かっているかで行います。
 すなわち事業部(division)の業績(performance)を各事業部毎(division)の利益(profit)によって評価(evaluate)するのです。

◆多角化(diversified)した企業の業績評価(performance evaluating)
 多角化(diversified)して複数のbusinessを営んでいるときには、business毎の業績評価(performance evaluating)が可能です。
 すなわち、通常のP/Lではbusiness毎の収益性を読み取ることができません。どの事業が儲かってどの事業が赤字かが分からないのです。

売上高(sales) \100,000th
売上原価(cost of Sales) 70,000th
--------------------
売上総利益(gross profit) 30,000th

販売費及び一般管理費(SGA) 10,000th
 
--------------------
営業利益(operating profit) 20,000th

(*)販売費及び一般管理費(selling and general administrative expenses)をSGAと略しています。

◆セグメント別報告(segmental reporting)
 しかしながらP/Lbusiness毎に分解することによって、business毎の業績評価(performance evaluating)が可能となります。
 もちろんそのためには収益(revenue)や費用(expense)business毎に把握・集計しなければなりません。
 これらをセグメント会計(segment accounting)といいます。

売上高(sales) A \50,000th B \30,000th C \20,000th
売上原価(cost of Sales) A 30,000th B 25,000th C 15,000th
------------------------------------------------------------
売上総利益(gross profit) A 20,000th B 5,000th C 5,000th

 
販売費及び一般管理費(SGA) A4,000th B 5,000th C 1,000th
------------------------------------------------------------
営業利益(operating profit) A16,000th B 0th C 4,000th


3.M&Aについて

  

 M&Aとはmerger and acquisitionすなわち企業の合併、買収のことをいいます。他の会社を吸収したり、買い取ったりすることです。このM&Aについて、会計処理は大きく二つに分けることができます。
 買収法(Purchase method)と持分プーリング法(Pooling of interests method)です。

■買収法(Purchase method)は?
  買収法(Purchase method)とは、企業を買収(purchase)する場合に採用される会計処理です。
  資産・負債を公正価値(Fair value)で引継ぎます。
  



    B/S
 

◎持分プーリング法(Pooling of interests method)とは?
 持分プーリング法(Pooling of interests method)とは、2つ以上の会社が株式を交換(exchange of stock)して結合(combine)して、一緒にbusinessを行う場合の会計処理です。
 資産・負債を帳簿価額(Book value)で引継ぎます。






営業権(goodwill)とは?
 M&Aにより買収した会社の時価評価したAssetと時価評価したLiabilityの差額、すなわち時価ベースでのCapitalを購入金額が上回った金額です。
 ということは買収法(Purchase method)を前提としているということですね。
 単純な時価以上のお金を支払うということは、目に見えない価値をそこに見出したということです。それを超過収益力といいます。
 例えば、ブランド品等のように、目には見えない価値を見出して高いお金を払うような場合をイメージすればいいです。
<Example>
Exercise
 A社は、B社を現金\80,000thで買収しました。B社の資産・負債・の公正価値(Fair value)は下記の通りです。
(a)資産の時価 \300,000th
(b)負債の時価 \250,000th  (c)=(a)-(b)=\50,000th

Answer
 純資産\50,000thのB社を現金\80,000thで買収したということは、\80,000th-\50,000th=\30,000thが超過収益力goodwillとなります。

 (Dr)
  Assets 300,000th  
  Goodwill 30,000th  


 (Cr)
  Cash 80,000th   
  Liability 250,000th  

◎M&Aのための監査(Audit)
 M&Aのための監査(Audit)を、デューデリジェンス(Due diligence; DD)といいます。Due diligenceは、買収先企業の詳細な調査のことです。
 簡単に言えば、買収しようと思っている会社の価値は本当はいくらかを調べることです。一般に「デユーデリ」と略称で呼ばれる事が多いです。 通常、売り手は高く売りたいし、買い手は安く買いたいはずです。

[売り手]→高く売りたい
 ↑
利害が対立します (conflict of interest)
 ↓
[買い手]→安く買いたい

 そこで、買い手側は、不当に高い買い物をしないように、その企業価値が買収価格に見合っているかを調査するのです。CPAは買い手側から頼まれて「デユーデリ」を行うことになります。
 ちなみに、Dueは、「(形容詞)当然、行うべき〜」という意味です。一方、diligenceは、「(名詞)努力、勤勉、骨折り、精勤」という意味です。合わせてみると「当然行うべき努力」となります。直訳ではあまり意味がよく分かりませんよね。

 

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