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経営革新(ベンチャー)  (2002年08月号 - P34より全6ページ)

<ケーススタディ 経営者に聞く>

これまで日本になかった証券事業   (2002/05/22 取材)
アイティーエム証券 代表取締役社長 西村秀昭氏

▼購入(1記事/\500)


資金をもっている人は、どこに投資していいのかわからない。
資金のない人は、どうやって調達すればいいのかわからない状態が何年も続いているのである。


 なにを=これまで日本になかった証券事業
 いつ=1998年から
 なぜ=金融面の新しいニーズに対応するため



 [ この記事の使い方・解説 ] 
 元・山一證券の社員を中心に、新しいアプローチでスタートした証券会社です。だから「日本になかった」ということになるわけです。なにしろ、ブローカー的な業務はほとんどしません。むしろ銀行のように企業の資金調達のためのスキームを提供したり、私募投信を投資家に販売したり、未上場企業を対象とした投資スキームなどを開発するなど、さまざまなサービスを開拓しています。


(KEY WORD)


資金調達
直接金融
間接金融

 

(背景)

 1997年、日本の金融は大きな転機を迎えた。
 三洋証券の経営破綻、北海道拓殖銀行の経営破綻、そして4大証券の一角を担っていた大手証券である山一証券の破綻である。
 90年代のバブル崩壊以後、不良債権処理に苦しむ銀行業、株式売買手数料の完全自由化、証券業への参入条件の緩和などで競争が激化した証券業は、ともに大きな転換を強いられることになった。
 同時に日本経済は、従来の間接金融(預金者から集めた資金をもとに、銀行が企業などに貸し出す)から、直接金融(金融市場、投資家から直接企業などが資金を得る)への転換に踏み出した。
 収益性が高く財務体質の強い優良企業は直接金融によって、資金を獲得できるようになった。
 しかし、これまで銀行融資に頼っていた企業は、新たな資金調達が困難になったばかりか、これまでの融資の返済まで求められる事態となった。
 また、個人金融資産も、超低金利時代にあって、従来の預貯金を主軸とした運用だけには頼れなくなっている。(以下、記事にて掲載)

(ステップ)
(導入)
(導入後)

(ポイント)
大手証券のできないことを探す
  →詳細はP36 参照
上場企業の弱点を補う
  →詳細はP37 参照
自社の特徴を活かす
  →詳細はP38 参照
ブランドの確立へ
  →詳細はP39 参照

 

<経営者に聞く> 代表取締役社長 西村秀昭氏

●独自の証券事業を模索
――設立から4年が経過し、現在の事業は?
 東京本社に加えて、ニューヨーク連絡事務所、ロンドン駐在員事務所があるほか、英領ガーンジーに投信の、香港に投資顧問・資産管理の100%子会社を持っている。
 またワンアジア証券(中国人向け証券会社)や、日本エンジェルズ・インベストメントなどにも出資している。
 主な業務として、法人関連ビジネスがある。
 上場企業支援は、中堅上場企業を対象として、資金調達の斡旋やM&A、IRなどを事業領域としている。
 ベンチャー企業支援は、上場コンサルティング、業務提携先の紹介、社債・株式発行の斡旋などを提供している。
 もう1つの事業として、資産管理・運用ビジネスがある。
 証券化商品、不動産投信、未公開株専用投信、M&Aファンドなど私募、公募で23件ほどのファンドを扱っている。
 さらに一般証券ビジネスとして、株式・債券売買委託業務、株式債券募集・売出業務、投資信託販売業務がある。
 この4つの事業がほぼ同じ売上規模で推移している。2期目から黒字を続けている。(以下、記事にて掲載)
――当初からこの4つの事業を中心にする考えだったのか?
――いい投信でも売れない?


●大手証券のできないことを探す

――どのように修正していったのか?
――けっして順風満帆ということではなかったわけだ。
――いまは、上場、未上場を問わずに対応しているそうだが。


●上場企業の弱点を補う

――上場企業でも自社で資金調達がうまくできないのは、どのような原因があるのか?
――どのような点が特に気になるのか?


●自社の特徴を活かす

――銀行の貸し渋りは話題となっても、別の資金調達方法についてはあまり話題になっていない。
――そこにビジネスチャンスがあったわけだ。


●ブランドの確立へ

――市場としてはどうか?
――人材も大きな要素となりそうだが?
――今後はどのような方向で事業を進めて行くのか?

(にしむら ひであき)
 1955年、東京都出身。79年、山一証券入社。
 山一オーストラリア・シドニー支店株式部長、同メルボルン支店長として、政府機関の債券発行やM&Aを手掛ける。
 その後、山一証券本社外国法人部課長、同事業法人部次長として欧米大手ヘッジファンドの日本証券営業、大手日本企業のファイナンス・資金運用等を担当。
 98年1月、同社退社。同年6月、アイティーエム証券を設立、現職。
 

<記事の中で使われるキーワード>

不動産証券化商品投信、ベンチャー企業投資ファンド、ヘッジファンド、日本版ビッグバン、プライベート・バンク、上場企業、資金調達斡旋業務、ニチリョク、ユーロ円建転換社債、ベンチャー企業支援、ブランドの確立、証券化技術、未公開企業向けのベンチャー育成、金融不安の声、日本の企業の活力、提携や合併
 

私募投信

 投資信託(投信)には、株式投信、公社債投信など投資先別の分類のほか、販売方法別に、公募投信と私募投信に大別される。
 公募は、証券会社窓口などで一般の人に販売されているが、私募投信は、販売先を特定したり、少数の機関投資家向けになどに販売しているもの。1998年末の投資信託法改正後、可能になった。
 投資信託協会によると、02年5月末時点の私募投信は、純資産総額で7兆550億円に達している。投信全体の40兆7,351億円のうち、約17%を占めている。
 私募投信には「適格機関投資家私募投信」と「一般投資家私募投信」がある。
 前者は政令で定められた機関投資家のみを対象に販売するもの。
 後者は一般の投資家向けだが、勧誘先は「50人未満」のもの。50人を超える場合は、「公募」となる。
 

(会社概要) アイティーエム証券株式会社

代表者 西村秀昭
本社 東京都中央区
業種 証券業
設立 1998年6月
従業員数(単独) 21名
資本金 54(百万円)
営業収益363(百万円)
主な事業内容
上場企業向けファイナンス、ファンドならびにABSの組成、未公開企業育成支援、株式委託売買、M&A、プライベート・バンク業務など
(データは02年1月期)
http://www.itm.co.jp/
 

 
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