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人間の場合、単に太ることを「成長する」とはいいません。会社も同じです。
人間と同様、会社の場合、「体重計」の代わりに使える尺度は「総資本増加率」です。
総資本が増加すること自体は悪いことではありません。総資本増加率が高いこともそうです。
これは人間の体重と同じと考えてください。
体重が増えると同時に背丈も伸びることを「成長する」といいます。
成長すると共に体力や知力も向上していきます。
会社もそうであれば何も問題はありません。
会社の場合、売上や利益の伸びはそれほどでもないのに総資本が増加することは「太る」ことを意味します。
太る原因にはいろいろあります。
規模の拡大を狙って多額の設備投資をしたが、計画通り製品が売れなかったり、売れると思って大量に商品を仕入れたが倉庫でデッドストック化してしまったり、誰かれかまわず掛け売りし続けた結果、不良債権を山ほど抱えたり。
またこれらのツケを払うために借金は増加し、金利負担が重くのしかかり、おまけに得意先は倒産するし、在庫はもはやゴミの山。こんな具合です。
人間の場合でも太りすぎは病気のもと。会社も同じです。
太りすぎは以下のような財務体質の悪化を招きます。
日本企業の場合95年9月期の全業種平均の総資本増加率は2.06%、製造業平均は2.20%でした。
同時期の経常利益率伸び率は全業種平均で10.12%、製造業平均で21.72%でした。
すこし体重は増えたがよく努力して運動しているので体力は強くなったというところです。
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