新規登録 求人検索
新規登録

第6章 決算書の分析 第3節 エクセルを用いた決算書分析

1.経営分析の指標の入手方法

ここまで決算書の経営分析の指標について説明してきましたが、ここでは、このような指標をどうやって入手すればいいのか、あるいは、どのようにして計算すればいいのか、についてお話します。

2.企業のホームページで入手する方法

決算書の閲覧のところで述べましたが、大企業のほとんどは自社のホームページ上に決算書を掲載しています。その際、決算書だけでなく投資家が知りたいと思っている自己資本利益率(ROE)なども一緒に掲載していることが多いです。

そのような場合は、自身で計算しなくても経営分析の指標を得ることができます。ただし、必ずしも自分が得たいと思っている指標が掲載されているとは限りませんので、あくまでも限定的な使い方になると思います。

3.エクセルを用いて入手する方法

企業のホームページや日本経済新聞、ヤフーファイナンスなどのサイトから経営分析の指標をある程度入手できますが、自分が知りたいと思っている指標が載っていない場合は、自分で計算するしかありません。

その際、紙と鉛筆と電卓で1つ1つ計算することもできますが、やはり効率良く計算するためには、エクセルを用いて計算する方が良いです。

エクセルを用いて計算する際の利点は、一度、経営分析の指標の公式を設定しておけば、次年度以降は、その年の決算書の数字を入力するだけで指標を計算してくれる点です。

また、エクセルで指標を計算したら、それをグラフ化することもできるので、同業他社との比較や過年度との比較も、目に見える形で推移や変化を捉えることができます。さらには、自分なりに使い勝手をカスタマイズすることもできるので、オリジナルの経営分析ツールを作り上げることができます。

最初の年は時間がかかるかもしれませんが、時間が経つにつれて完成度も高まるので、今後継続的に経営分析を行うようであれば、この方法をおススメします。

4.経営分析のサイトを利用して入手する方法

自作のエクセルシートを作成する自信がないとか、そこまで本格的にやるつもりはないという方の場合は、経営分析のツールを無料提供しているサイトを利用する方法もあります。

これは、エクセルを用いた経営分析を行うフォーマットがネット上でいくつも無料提供されているので、それをダウンロードして利用します。そうすれば手軽にエクセルを用いた分析を行うことができます。

ただし、やっぱりこの方法の場合であっても、自分が知りたいと思っている指標のフォーマットがなかったり、使い勝手が悪いなどの問題点はあります。

また、エクセル以外でもサイトに決算書の数値を入力するだけで、経営分析の指標を自動的に計算してくれるサイトなども存在しますので、そのようなサイトを用いても良いでしょう。

上記のような具体的なサイト名については、次の章で紹介したいと思います。

執筆者プロフィール

南 伸一
簿記の教室メイプル代表

1971年鹿児島県生まれ。
1995年公認会計士2次試験合格。大手監査法人に勤務後、1997年に簿記の教室メイプルを立ち上げる。大手町校(東京都千代田区)と草加校(埼玉県草加市)の2教室の他、通信講座も行っている。著書に「絵でみる簿記入門」(日本能率マネジメントセンター)、「超スピード合格日商簿記3級」(成美堂出版)、「ギモンから逆引き!決算書の読み方」(西東社)などがある。

現在は、教室の経営、講義、執筆の他に、大手TV局100%子会社の財務・経理の責任者業務、大手電力会社の審査担当部署の会計アドバイザー業務、監査法人での監査業務など、様々な実務にも携わっている。